一般媒介契約における「明示型」と「非明示型」

一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」の2種類があります。

一般媒介契約では複数の不動産会社に重ねて媒介を依頼できるため、契約締結時に他にどの不動産会社に媒介(売却)を依頼しているかを告知(明示)しなければなりません。これを「明示型」と言います。
一方、他の不動産会社に重ねて媒介を依頼する場合でも、一般媒介契約書の特約に、他に依頼する不動産を明示しない旨を記載することで、告知する必要がない「非明示型」があります。

区分 明示型 非明示型
概要 一般媒介契約を締結するときに、重ねて依頼する(他に依頼した)不動産会社を明示(通知)しなければなりません。
※「標準媒介契約約款」による。
他の不動産会社に重ねて仲介を依頼しているのか、あるいはどんな会社に依頼しているのかを、依頼する不動産会社に明示(通知)する必要がありません。
一般媒介契約書に
記載する事項
記載する事項 既に依頼をしている不動産会社の商号または名称および主たる事務所の所在地を記載する。また、契約締結後さらに他の不動産会社に依頼しようとするときは、その旨を告知する。 一般媒介契約を締結するときに、重ねて依頼する(他に依頼した)不動産会社を明示しない場合は、その旨を特約しなければならない。
明示していない不動産
会社により契約した場合
一般媒介契約の有効期間内に、依頼者が明示していない他の不動産会社に売却等の依頼をし、これによって売買または交換の契約を成立させたときは、媒介契約を締結していた不動産会社は依頼者に対して、一般媒介の契約の履行のために要した費用(※1)の償還(※2)を請求することができます。
※1 例:不動産会社が独自に行った広告費用など
※2 請求の費用は約定報酬額(仲介手数料)を超えることはできません。
成約したときの
売主の報告義務
売主は、媒介または交換の契約を成立させたときは、依頼した(一般媒介契約を締結した)全ての不動産会社に、どの不動産会社によって契約が成立(成約)したかを、速やかに通知しなければなりません。
  • 一般媒介契約を締結した他の不動産会社は、売主より成約済みの通知がない場合、継続して販売 活動を行うため、既に成約済みの物件であるにもかかわらず、別の買主に紹介する可能性があり ます。
  • 売主が他の不動産会社に成約の通知を行わず、複数の買主からの条件を比較(より高い金額で売 却しようとする)などした場合は、損害賠償を請求される場合があります。